第5章 眠れる森の美女…102年後♥️♥️
ハルカはその足で父王に会いに行った。
「近々城を出ます」そう言った末息子に、王様は反対しなかった。
城内の面々はいつも兄の方を敬っていたし、この兄弟は昔から取り立てて仲が良いわけではない。
(兄が王となるならこの子は居づらいのだろう)
閉じ込めても聞く性格ではないし、そのせいでいざこざが起こるよりはましかもしれない。
王様は思い、「仕方がない」とため息をついた。
ハルカは目覚めた姫と一度も目を合わすことをしなかった。
彼女は何にしろ、兄王子を選んだのだ。
これから妻になり母になる。
自分の気持ちに気付いた以上、そんな姫を見ていられる自信がなかった。