第5章 眠れる森の美女…102年後♥️♥️
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夕方も近くなった暮れ空の下、兄王子のイズミは森の中を駆けていた。
「ふう、やばいやばい。 会議が長引いた。 待ってるだろうな、オーロラ姫」
待ってないのだが、彼としては、もう姫とは心も通わせて同然だと思い込んでいた。
幾度も体を合わせるとそんな勘違いも起きるものである。
最近の姫は大人の色香を帯び、イズミはそれもまた新鮮な魅力を感じていた。
「今日は結婚式の衣装を話し合わないとね」
これも寝ている彼女と話し合いなどしたことがないのだが、最中にイズミが姫に話しかけ一人で盛り上がってるだけだった。
もうじき棺の場所に着くという時。
「チュンチュン。 もうじき呪いが解けるね」
「良かった良かった」
「最近は王子様がしょっ中通ってくださる」
イズミはその声に耳をそばだて不思議に思った。
(はて。 ここ二週間、俺は忙しくてここに来てないが?)
彼はハルカのことは眼中になかった。