第5章 眠れる森の美女…102年後♥️♥️
弟王子のハルカは兄の様子を静観していたが、最近、彼にも気掛かりがあった。
時おり、いばら城の棺を訪ねても姫がいないことがある。
彼女の目覚めの時間が長くなっていた。
加えて愛らしい姫は、兄王子の予想どおり美しい女性になりかけていて、彼らは互いに何でもない振りを装っていても、心中穏やかでは無かった。
(それに………もう一つ)
兄は気付いてないようだったが、彼女の腹の紋様。 あれが確実に薄くなっている。
どういうわけか、呪いが消えかかっているということだ。
『姿がよく姫を思いやり、
家柄も相応な王子』
それが実は自分のことを指していると露しらず、ハルカは意識のない彼女にはどうしても手を出せずにいた。
(とにかく、姫さんが起きてる時に会って話さねえと)
ハルカは足蹴く彼女の元へ通った。
自分が今さらそんな気になるかは脇へおいて、時を経て、兄弟王子にとってオーロラ姫が何より大切な女性になっている。
それは間違いなかった。