第5章 眠れる森の美女…102年後♥️♥️
あっという間に月日が流れていった。
相変わらず兄王子はオーロラ姫の元に通っては犯し
弟王子がその報告を受けては姫を癒した。
その間も兄王子は人を使って呪いを解く方法を探し続けた。
けれども100年も前の記録を探すことは困難を極めたのだった。
兄王子の名はイズミという。
イズミ、ハルカら兄弟王子が姫と出会い、一つ年が過ぎ、それも終わろうとしていた。
(ハルカはどうやって姫を手に入れようとしてるんだろうな?)
当初、イズミはもちろん弟のことが気になった。
しかしある日に、いばらの茂みから彼らを盗み見たイズミは、それを杞憂だと判断した。
何しろ自分の弟は、眠る姫の傍らの花畑で鳥などと戯れながら、ボケーとしているだけだった。
思い付いたみたいに姫に触れたと思うと着替えさせたり撫でたりと、そこに男女の雰囲気はちっとも無かったのだ。
「あの年で人形遊びとは」
首を横に振り、それでもイズミは考えた。
頑固な性格の弟はあまり父王の覚えが良くない。
彼なりに悩んでいる、そしてああやって俗世から離れ自身を慰めているのかもしれないと納得した。
兄として。
そんなファンシーな弟はそっとしておいてあげることに決め、その代わり、姫に近付こうとする他の男たちを徹底的に遠ざけた。