第4章 眠れる森の美女…101年後♥️♥️
「しかもうちはそんなに裕福な国でもないしな」
ハルカがポツリと呟いた。
「あっ…っ出る、出すよ…っ」
次の瞬間、さすがに兄の射精には目を逸らした。
「ふふ……俺さ、気に入ったな。 この口まんこちゃん」などと不敬なことを言う彼は満足げだった。
「そう。 この子と結婚したらさ、きっとうちも潤うだろうねえ」
兄王子も似たようなことを考えていたらしい。
とはいえ。
「俺はいいや。 やる気にゃなんねえ」
それもハルカの本心だった。
たとえ今、口許から流れ出る白濁をそのままに、目の下をほんのり染めている彼女が卑猥に見えようとも。
触れた胸に口を付けたい衝動に駆られていたとしても。
彼女はまだ女になりきってない。
「いやさ、だから。 この子、すぐに手に入ると思う?」
彼女を顎でさした兄王子が言った。
「何が言いたい」
城に眠る財宝。
元々彼らの国は明確な実力主義である。
この姫の存在は国に莫大な利益をもたらすに違いない。
彼女にかかった呪いを解く。
そうして自分たちのどちらかが姫を手に入れたら、その者がおそらく自国の後継者となるんだろう。
兄王子の顔は面白いことを見付けた、とでもいうようにハルカに挑戦的な眼差しを向けていた。
「ま、お前が降りるんなら止めるけど?」
ゲームは参加者がいないと、と彼が肩をすくめてみせる。
ハルカの気が変わった。
「冗談。 兄貴こそやり過ぎて姫を抱き潰すなよ」
これも正直、悪くない。
跡継ぎで変に揉めるのも望まないし
国の行く末を案じるのも
結婚相手を見付けるのも
すべて単純明快に決まれば願ったりだ。
兄弟は頷きあい、音を立てて手を打ち、いばらの城をあとにした。