第3章 みにくいあひるの子…森の家で♥️♥️
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それから少し後になり、木こりの家に着いた琥牙たちはドアの前に立っていた。
「兄ちゃん、ここか? 入んねえのか」
「うん。 ふう、やっぱり、自信がないっていうか」
琥牙は俯いて言った。
「付き合ってんだろ? それなら………ん? 何か美味そうな匂いと、変な声が聞こえるぞ」
うだうだ悩んでいた琥牙は少年の声に顔をあげた。
その瞬間、彼の顔にさっと翳りがさし、それを見ていた雪牙がぎょっとした。
バキッ。
木造の扉を蹴破り、琥牙は眼前の光景を見渡す。
裸身手前、彼の最愛の女性を囲んでいた何羽ものアヒルが驚いて玄関先に顔を向けた。
彼女の両胸の先は彼らの羽先で弄ばれおり硬く立ち上がっている。
立てて開いた木こりの膝の間にいた、元兄のアヒルは今まさに彼女に挿入行為を行おうとしている所だった。
苦しげに眉を寄せていた木こりが、ぼんやりした表情で琥牙へと視線を向ける。
「え………あ、なたは」
「………これ、助けがいる状況?」
琥牙には木こりが明らかに発情状態だと分かった。
「………っ」
その彼女の目が見開き、ボロボロと大粒の涙がこぼれ落ちた。
「た、助け…オオカミさ…っ…」
「に、兄ちゃん。 これさ、どうみても襲われてるよ」
「………そう、なんだよね」
ふーっ、と長く息を吐き、琥牙は平静さを取り戻そうとした。
頭では分かる。
分かるがどう言えばいいか。 その時の琥牙の心持ちとしては、全てを含んだその場の全員が死んでしまえばいい。 そんな残虐な思いが脳内を巡っていたのだった。