第3章 みにくいあひるの子…森の家で♥️♥️
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「えっ…何、何なのあんたたち!?」
あわてて家の壁際へ逃げる木こりをアヒルたちがぐるりと取り囲んでいた。
「フフフ……先回りして潜んでいたのさ」
「鍵ぐらいかけなよねー、無用心デショ?」
木こりは今朝家を出る前に鍵を忘れていたことを思い出した。
指摘してきたアヒルには見覚えがあった。
「あなた確か、オオカミさんのお兄さんだよね」
声をかけると彼の前にひときわ大きなアヒルが前に進み出る。
「いかにも。 アタシたちは奴の元家族と親族。 さあ一緒に来てもらおうか」
「はあ、何のために?」
「奴が居なくなったお陰で餌はうまく取れない、巣は荒れ放題。 不便でしょうがねえんだよな!」
ブツブツこぼす大アヒルの背後の言葉に木こりはあきれた。
「自分から勘当しておいて? そんなの自業自得だし、普通に真面目に働けばいいじゃない」
「うるせえ!! お前がいれば、奴もまた戻ってきて言うことをきくはずだ!」
荒い語気で怒鳴られるも木こりは彼らを鼻白んだ。
「私が行くと思うの? こっちは今から晩御飯作るので忙しいし、ああもうほら! 羽毛で部屋が汚れたじゃないの。 フォアグラにされたくなきゃ、さっさと出て行きなさいよ!」
「………」
たかが女一人。
アヒルたちがタカをくくっていたのとは違う木こりの反応だった。