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大人のおとぎ話 [ガチパロ]

第2章 みにくいあひるの子…旅の途中で




「ここは我らの里だ。 若き人狼、お前の名は琥牙にしよう。 大いなる優しさという意味を持つ。 雪牙を連れていけ、互いに役に立つだろう」

「供牙様、おれ、琥牙兄ちゃんについてっていいのか?」

雪牙が縁側に手をつき、興奮気味に聞いた。

「ああ。 雪牙、まだ子供のお前がここに閉じこもるのは良くない。 ただし戻る時はこの里を逃げ場にはするな。 琥牙もだ」

二人を一瞥して立ち上がった供牙が「ではな」とひと言残し、部屋の中へと消えていく。

「琥牙兄ちゃん、行こうぜ!」

ワクワクした様子の雪牙を見下ろし、名前を持たなかったオオカミの琥牙は苦笑して、「うん」と答えた。

もしも彼女が自分を受け入れてくれたら。

いつかここに木こりを連れてこよう、そう思った。




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