第8章 ラプンツェル…少女の物語♥♥
秘部に押し付けられたモノが段々と剛直に変わり、男が彼女の気を引こうと腰を揺らす。
「ハメて欲しいだろ? さっき咥えてた時も弄ってたじゃねえか」
「………お陰でイキそこねた」
マドカが抑揚のない声で言う。
「だからよお……ん?」
非難がましい顔をずっと出入り口に向けているマドカを不審に思い、男もその方向に視線を向けた。
「あ、へえっ!?」
そこには別の男がいた。
洞の出入り口の床に肘を乗せて、ニコニコ微笑んでいる。
大木の幹の途中にある空洞。
高さのあるこの場所には、梯子でも使わないと来れないはずだ。
すると、自分が登る時に使った梯子からこいつは覗いているらしい。 「チッ…次があるなんて聞いてねえぞ」不平を漏らす男が下穿きを履く最中、マドカが口を開いた。
「フリン。 気が散るから止めてよ」
「お仕事中、邪魔したら悪いかなと思ってね」
「よく言うわ………お役人に覗かれてたら気が散る。 ったくもう。 なんでいつもこんな時に来るわけ? なんにも悪いことなんてしてないのにさ」
「ヒェッ、や、役」
男が素っ頓狂な声をあげた。
「そうかもね…でもさあ。 やっと十になったばかりのいたいけな子供がこんなことは良くないよ」
マドカが怪訝な顔で彼を見返す。
フリンと呼ばれた男がよいしょ、と床に手をついてよじ登り、入り口に立つ。
この辺では見ない、上等な黒い衣服に身を包んだ姿の良い若者だった。
直線に近いくっきりとした眉。
茶色ががかった、彫りの深い両目で、後ろで括っているのか、男らしい印象の頬に二筋の髪が垂れていた。
その中でやや肉感的な下唇だけが甘さを感じさせる。