第8章 ラプンツェル…少女の物語♥♥
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この場所は年中薄暗く陽があたらない。
その代わりに雨風で濡れることもない。
歪な形の壁や天井に囲まれたそこは深い森に覆われていた。
大きな空洞を取り囲むようにツタが繁り、時には木の養分を借りて真っ赤な花をつけ、そのさまは外界から遮断された静謐な空間へといざなっているようにもみえる。
「あ、あっ…」
一方で、怪しげな細い女の喘ぎが響いた途端。
大木に空いた洞は、淫靡な秘め事を覆い隠すだけの寝所にうって変わってしまうのだった。
「おお、マドカ。 気持ち良いよ」
荒い息の合間。
喉元から吐き出される男の声がマドカの上に落ちてくる。
男はあぐらをかいて座っていた。
時おり手を伸ばし、男を咥えているマドカの髪に指を入れる。
艶やかな長い黒髪が彼女の体の曲線に沿い、床の敷物へと流れていた。
チュッ…チュパ……チュパッ、チュプ
マドカが口内でビクビク震える肉棒の先を吸った。
………思わず心の中で呟く。
(かわいい………)
マドカは『これ』が好きだ。
頼りなく無防備で。
自分の動きに素直に沿う。
少なくともマドカにとって、妙な顔で妙なことを話す男の顔を見るより100倍はましというもの。