• テキストサイズ

大人のおとぎ話 [ガチパロ]

第7章 ラプンツェル…妖精の物語♥️



****

久しぶりに人が住まう場所に着き。

美和は昔、自分が住んでいた家に居を構えることに決めていた。
敷地の端には美和が建てた両親の墓がある。

『美和ちゃん』

幼い彼女を拾いあげた人間の若夫婦は、美和をそう呼び、大層彼女を可愛がった。
美和を人間でないと知りつつも、まるで大したことのないような顔をして。

夫婦には本当の子供もいたが、やがて巣立っていった。
いくつもの季節を共に過ごし、美和は、中年になって老いていく彼らを看取ったのだ。

美和にとって、大切な大切な思い出が眠った場所だった。


彼女は毎日墓の前で、ありったけの祈りを込めた。
家を磨き待ち続けた。

自分たちの分まで夫婦の子孫へと繋がるように。


ここに彼らが来てくれますように────





/ 220ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp