第7章 始まりと終わり
「あれか…。」
リヴァイがしばらく馬を走らせていると、黒い蒸気のたくさん上がる場所を見つけた。
多くの巨人が倒れそこから蒸気が上がっている。地面は赤く染まり、自由の翼がいたるところに転がっている。
エルヴィン達はどこだ…。
その頃マリーはリヴァイに言われた通り兵士の治療をしていた。
兵士は意識が飛びそうになりながらもポツポツと話しだす。
「団長、は2つの陣形に分けた…。先鋭とその他の者。その他の者達…を一箇所に集め、巨人の気を引いているうちに先鋭達が確実にうなじを落とす…そのはずだった…。」
『どうなったんですか?』
マリーは包帯を巻く手を止めずに続きを促す。
「先鋭達がうなじを落として、作戦は成功した筈だった…。だが巨人を倒してすぐに一体の奇行種がやって来たんだ…。そいつは異常に足が早かった。固まっていた俺たちはすぐに回避出来なかったんだ…。俺は気を失っていて…目が覚めたら辺りは血の海だった。
それで馬を見つけてここまで来…。ゴホッゴホ…っ。」
兵士は話し終えると咳き込み出した。
『…ありがとうございます。応急処置はしましたから…荷台で安静にしていてください。』
マリーは静かにそう言うと、自分の馬を呼んだ。
「…行くのか?」
『…兵長も団長も寂しがりやなんです。』
マリーは兵士に向かって微笑むと、リヴァイのあとを追った。