第6章 変革
そのころエルヴィンは、リヴァイ達が戦っている巨人に遭遇しないよう、大きく旋回していた。
援軍は送ったものの、無事に合流できたのか、間に合わなかったかもしれないなどと不安ばかりが増えていく。
マリーのことを思っていると、不意にアルマのことを思い出す。
アルマにそっくりな顔立ちで、同じ青い目。そんなマリーを見ていてアルマを思わない訳がない。
自分の唯一の家族だったアルマ。
アルマが兵士になると言い出した時も、調査兵団に入ると言った時もエルヴィンは反対していた。しかし彼女が持ち前の明るさで、周りを笑顔にしていたのもまた事実。
エルヴィンが自分が彼女を支えていけばいい、そう思い出したころにアルマはケガをし、そして兵団を出て行った。
時々送られてくる手紙には幸せに暮らす様子が目に浮かぶないような内容ばかりで、これでよかったのかとも思い始めていた。マリーが産まれたと聞いた時も、マリーの誕生日の2年ごとに会いに行っていた時も、エルヴィンは妹と妹の家族の幸せを1番に考えていた。
しかし…マリーの9歳の誕生日会に行くため、早く仕事を切り上げようとしていた時。巨人が壁内に入ったと報告があった。
そのことが全てを狂わせた。