第6章 変革
「団長。この先が後方部隊が戦っている地帯かと思われます。」
と、いう部下の声でエルヴィンは我に返る。
巨人がアルマの人生を狂わし、母と娘を引き剥がし、今度はマリーの人生を狂わせた。
自分はあの時マリーをアルマの様な兵士にはしたくない、自分の運命に巻き込みたくないと思い、平和に暮らせる選択肢を与えたつもりだった…。子どもにとても過酷な未来を突きつけて…。
しかしマリーは理由がどうであれ、自分で兵士の道を選び、自分の足でここまで立派になって見せた。
全てを運命とまとめてしまえばそれまでだが、マリーは自分の道を選択し次の自分を作ってきた。あの時マリー自身が私に言った通りに…。
…しばらくマリーの誕生日会を開いていないな。帰ったらみんなで祝ってやるか。
そう思い、エルヴィンは頬を緩ませていた。