第6章 変革
馬をしばらく走らせていたが、巨人とそれほど遭遇することもなく調査は順調に進んでいた。
しかし、空は徐々に暗くなってきている。エルヴィンは限界まで進むか、無理をせず撤退するか。決断を迫られていた。
「団長。進行方向に大きな雨雲があります。このまま進めば危険なのでは?」
エルヴィンは兵士達の言うこともわかっていた。しかし、巨人が少ない今しかないとも思っていた。
どうするべきか…。
エルヴィンは決断を迫られていた。
その時。
「後方部より伝達!奇行種を含む約20体の巨人に遭遇!巨人はどんどん集まりつつあり、数は減るどころか増えています。後方部は壊滅状態。現在特別作戦班が応戦中!以上です。」
それを聞き、エルヴィンは頭の中が黒で埋めつくされるような感覚に陥っていた。
マリー。どうか…。
いざとなったら全てを捨てる覚悟でいたエルヴィンだが、改めて自分の中のマリーの大きさを思う。