第6章 変革
『ハンジさん、みんなで帰って来ましょうね。私、ハンジさんの巨人の話し聞きたいですから。』
マリーはハンジに微笑む。
「もちろんさ。マリーもだよ?私の話しを最後まで聞いてくれるのはマリーだけだからね。」
ハンジもマリーの頭を撫でながら微笑む。
『やっぱりハンジさんの手は温かくてお母さんみたいです。』
リヴァイはマリーとハンジの姿を横で優しく見ていた。
「リヴァイ兵長!ハンジ分隊長!そろそろ位置につけとのことです。」
そう声をかけられ、それぞれの持ち場につこうと歩き出した時、ハンジはとっさに振り返る。
「リヴァイ!今度こそは手を離すな!誰かじゃなく自分がどうしたいのかを考えろ!死ぬな!」
ハンジの声を聞き、リヴァイは振り返らずに強く前を向いた。
行こう、鳥籠の鳥が見上げることしか出来なかった、高い高い空へ。
リヴァイ達が持ち場につくと、エルヴィンの魂の込もった言葉が響く。そしてかけ声とともに門が開いた。
リヴァイ班は後方。つまり最も危険なために、彼らを信頼する故のエルヴィンの判断だった。