第5章 胎動
『あたし!後悔しないようにしてきます!』
マリーが立ち上がると、先輩…ペトラは微笑み小さく頷く。
あたしの分も…がんばっておいで、マリー。
マリーが部屋を出ると、遠くに小さく兵長の後ろ姿が見えた。
『リヴァイさん!』
振り向くリヴァイ。
「あぁ?てめえ何気安く名前で…」
『私は兵長でなくリヴァイさんにお話しがあるんです。』
リヴァイの眉間にしわが寄る。
「なんだ。俺はお前に話すことは何もない。」
しかしマリーはリヴァイを無視して話しを進める。
『…リヴァイさんとお母さんのことは聞きました。』
リヴァイの肩が少し動く。
「だからなんだ。てめえには関係ねぇ。」
『リヴァイさんは私が嫌かもしれない。私を班に入れたくなかったことも私なりにわかっているつもりです。それでも…』
『それでも!私はリヴァイさんの支えになりたい!お母さんの変わりでいい。だから…』
そう言いかけたところでリヴァイに抱きしめられ、言葉が途切れる。