第5章 胎動
「マリー、よく言ってくれた。急で悪かったね。」
エルヴィンは再びマリーに目を移し微笑む。
『…正直、自分では力不足だと思っています。先ほどは偉そうに言いましたが、リヴァイ班のみなさんの足を引っ張てしまうと…。』
マリーは足元を見て拳に力を入れる。
「マリー。2人の時はもっと力を抜いてくれ。家族に敬語を使われると寂しいんだが。」
エルヴィンがマリーの拳を手で包みこむ。
「私は君の力を認めた上で決断したんだ。もっと自信を持っていい。君は十分前線でやっていけるよ。」
マリーは顔を上げエルヴィンを見る。
「君らしくやればいい。」
エルヴィンの笑顔や言葉はいつも自分を安心させてくれる。
マリーは微笑みゆっくりと頷いた。