第5章 胎動
「エルヴィンてめぇ!どういう意味だ!俺はマリーを班に入れるなんて言ってねぇし聞いてもねぇぞ!」
リヴァイは立ち上がってエルヴィンに詰め寄る。
「あぁ。私が今初めて君達に伝えたからな。言っただろう、反論は認めないと。」
「俺の班の班員は俺が指名するんじゃなかったのか。」
「今回は例外だ。マリーでは不服か?他なら君は認めるのか?」
呆然とするマリーを置いて、大人たちは言い争いを進めていく。
マリーのその様子に気づき、エルヴィンはマリーに優しく微笑む。
「マリー。君は決断を要する時、リヴァイを信じて命を預けられるかい?」
マリーはエルヴィンからリヴァイに目を移し、リヴァイを見つめる。
『…リヴァイ兵長が私を信じてくださるならば。』
「だそうだが?」
エルヴィンが満足そうにリヴァイを見る。
「チッ。勝手にしろ。俺は誰だろうが手は抜かねぇからな。」
リヴァイは扉を蹴って開け、部屋を出ていった。