第5章 胎動
『団長!マリーです!』
昼食を終え、マリーは団長室の扉をノックしていた。
はいりなさい。
そう聞こえて扉を開けると、そこには机に向かうエルヴィンとソファに座るリヴァイの姿。
「チッ。来たぞエルヴィン。さっさと話しとやらを話せ。」
少し苛立った様子のリヴァイがマリーを見ながら言う。
『えぇっと…。』
マリーの困惑な表情を見てエルヴィンは頬を緩めると、
「リヴァイとマリー。2人に関係がある話しなんだ。マリーはもう少し力を抜きなさい。」
兵長と新人の一般兵に関係する話しとは何か。マリーは余計に疑問が湧くばかりだった。
「これは団長命令だ。今日付けでマリー・ヒンメルを特別作戦班に所属させる。反論は認めない。」
以上だ。
あまりにもエルヴィンが平然と言うため頭に全く入ってこないし理解が出来ない。
兵長は知っていたのかと横目で見ると、
目を大きく開けた兵長。
知らされていなかったのか…。