第5章 胎動
訓練が終わって、マリーは食堂でエレン達と賑やかに食事を楽しんでいた。
「マリーってさ!エルヴィン団長とか、リヴァイ兵長とはいつ知り合ったんだ?」
エレンの悪気のない言葉にドキッとする。
『…昔はいろいろ噂があったみたいだけど、知り合いってだけでエレン達と変わらないし、小さい時に少しお世話になっただけだよ。』
マリーが目をそらしながら気まずそうに言う。
「マリーは動揺している。やっぱり嘘をついている。ならどうお世話になったのか話して。」
珍しくミカサがグイグイと刺してきたため、マリーは多量の汗をかいており、マリーの動揺は隠しきれていないも同然だった。
ミカサが顔を近づけてオーラを放つものだから、マリーの顔色はどんどん悪くなる。あと一押しでマリーの口が滑りそうになったその時。
「私がマリーをここに連れて来た。それだけだよ。」
頭の上から聞こえた声にみんな上を見上げた。
そこには楽しそうに笑うエルヴィンがたっていた。
エレン達はすぐに立ち上がり敬礼をする。
「いや、今はそんなに硬くならなくていいよ。楽にしなさい。」
落ち着いて話すエルヴィンを見て、マリーは気持ちが楽になっているのを感じていた。
『だ…団長。』
「マリーを連れて来たってどういう意味ですか。」
ミカサがエルヴィンを睨みながら言うためマリーはヒヤヒヤしていた。
「そのままだよ。身寄りが無かったマリーを私がここに連れて来て兵士にした。」