第5章 胎動
その日、マリーは朝からそわそわと落ち着かない様子で部屋の中を歩き回っていた。
よし。行こう。
今日は訓練兵での順位が発表される日。上位10人だけが憲兵団に行くことができるため、今までそのために頑張ってきた者がほとんどだろう。
下からどんどん名前が呼ばれていく。自分は10人に入れているのだろうか。不安は膨らんでいく。
「なお今回主席は2人いる!ミカサ・アッカーマン、マリー・ヒンメルだ!」
主席として自分の名前が呼ばれたことに驚き、また体の底から嬉しさが湧いてきた。
これで…これで胸を張ってマリー・ヒンメルを名乗れる。
おじちゃんとの約束が果たせる。
マリーの覚悟の結果だった。