第5章 胎動
それからマリーは訓練後よくリヴァイの部屋に訪れるようになっていた。
一緒に紅茶を飲んだり、資料を見る横顔を眺めたり、何でもないただ過ぎていく時間にマリーは幸せを感じていた。
「マリーは兵長と恋人なの?」
ある日ミカサに突然言われた。
訓練兵の中で噂になっているらしい。
『全然違うよ?…お兄さんみたいな感じかな。ずっとお世話になってるし。』
「訓練後にお兄さんの部屋に毎回行くの?マリーの悪い噂を消したのも兵長。兵長はマリーがエレン達の部屋で寝た時もかなり怒っていた。嘘はつかないで、マリー。マリーはあのチビに惚れているの?」
「少なくともあのチビはマリーに惚れている気がする。」
そう言われ、マリーは初めて自分の中の兵長は何なのかを考えてみたが、答えは出なかった。