第3章 存在
ハンジと別れ、マリーは廊下を歩いていた。
すると前方から来るリヴァイの姿。
ちゃんと挨拶をしよう…この間来てくれたお礼も言わなきゃ。
マリーはリヴァイの方へ足を進める。
ドクドクと苦しいぐらいに鳴る胸。
どんどん距離が近くなる。
む…無理だ!
直前になって目をつむり、顔をそらして曲がろうとした。だがその瞬間。
背中に強い衝撃。
恐る恐る目を開け顔を上げると、視界いっぱいにリヴァイの顔。
マリーはここ最近でずいぶん身長が伸びていたが、リヴァイよりわずかに背が低いため見上げる形になる。
顔の横にはリヴァイの手。
今の状況が理解出来ず、
ただあたふたとするマリー。
「おい、てめえ。なんで目を合わせようとしねぇんだ。」
耳元で発せられた言葉に顔が赤くなる。
「そんなに俺が怖いか?」
リヴァイが話す度に耳にかかる吐息に頭がいっぱいになる。