第3章 存在
『と…いうことがあったんです。』
その夜、マリーは今日あったことをエルヴィンに話していた。
「君が久しぶりに私の部屋を訪れてくれたと思ったらリヴァイの話しかい?」
エルヴィンは少し肩を落として笑う。
『違います!団長に資料を私に行くおつかいを頼まれたんです。話しはそのついでですよ…。』
マリーは頬を赤くして下を向く。
そんなマリーの様子を見て、エルヴィンは資料を読む手を止めた。
「…お母さんとリヴァイのことが気になるかい?」
『そりゃあ…。少し。』
「エルマはリヴァイの世話係だったんだ。リヴァイが来てから少しの間だが。…2人はそれなりに仲良くしていたらしい。」
『友達だったんですか…。』
「いや。君が見たリヴァイは辛そうだったんだろう?両思いか一方的にかはわからないが、特別な関係があったのかもれないな。だがこの話しはまだ君には早いよ。」
エルヴィンは笑い資料をまとめた。
「この話しはもう少し君が大きくなってからだ。資料は確かに預かった。君はもう寝なさい。」
『…はい。』
マリーとリヴァイ。互いにいい方向に引き合えばいいが…。
エルヴィンは肩を落として部屋を後にするマリーの背中を見て、ため息をついていた。