第2章 選択
その夜の団長室。エルヴィンが資料に目を通しているなか、ハンジはその横で酒のフタを開け、リヴァイは何かを考えるように俯いていた。
「エルヴィン、マリーのことだけどさぁ。」
そうハンジが口を開けると、リヴァイがピクリと動いた。
「本当にいいの?あの子を兵士にしちゃって。アルマ達だって、マリーには別の道を進んで欲しいから話してなかったんじゃないの?」
「おいクソ眼鏡。なんでそこでアルマが出てくる。」
リヴァイは立ち上がってハンジを睨んだ。
「あれ。リヴァイ知らないの?マリーはアルマとフリッツの娘だよ。つまりエルヴィンの姪っ子ちゃん。」
目を大きく開いて呆然とするリヴァイ。彼の眉間にあった皺は消えている。
リヴァイはフラフラと力無く部屋を出て行った。
「彼女はもう私の姪ではないよ。
新しい自分をつくるそうだ。ハンジ、君のおかげでマリーは前を向くことが出来たようだ。」
エルヴィンは資料を置き、ハンジを見る。
「ありゃ〜バレてたのか。……エルヴィンさぁ。マリーの話しをしてる時は優しい顔をしてるよね。」
「……そうか。」