第2章 選択
途方に暮れてしゃがみこむ。
どうしよう…。
「あれ?お嬢ちゃん迷子かい?」
横から声を掛けられ振り向く。
『お姉ちゃん…。どうしてわかったの?』
「ハハ。女の感ってやつかな。あたしの部屋においでよ。散らかってるけどね。話しぐらいは聞けれるよ?」
『知らない人にはついて行っちゃダメなんだよ?お姉ちゃん名前なんて言うの?』
「人に名前を聞くときはまず自分からって教えてもらわなかった?」
ニコニコしながら顔を覗き込んでくる。
『…マリー。』
「そうか…私はハンジだよ。
よろしくね、マリー。」
なんだか一瞬だけ違う、温かい眼差しだったような気がした。