第2章 選択
『い…嫌だよ。お話長くてわかんなかったもん。私はおじちゃんと一緒だもん。』
もう誰とも離れたくなかった。
「マリー。決めなさい。何かを得るには何かを捨てなければならないものだ。」
そんなの…
『嫌だっ‼‼』
咄嗟に肩にあった手をはたいて部屋を飛び出した。
部屋を出て5分後。
しばらく走っていたはずだが外には出れていない。
…忘れていた。家族はみんな兵士だったわけだが私が生まれる前の話な訳で。
私は調査兵団本部なんてとこには行ったことがない訳で。
建物の構造なんて知らない訳で。
……つまり。
迷子になってしまったようだ。