第2章 選択
目を赤く腫らしたまま顔をあげる。しかし見えたのは団長の顔をしたおじちゃん。
おじちゃんが調査兵団で団長という責任を伴う仕事をしているとは、両親から聞いたことがあった。
両親も以前は兵士だった訳で。
2人とも調査兵団で、常に命と隣り合わせだったらしい。
が、私が生まれる前に辞めてしまったらしく、私は2人の兵士だった姿を見たことがない。
『何のお話?』
目を合わせたまま聞く。
「…本当に君の瞳はアルマそっくりだな。澄んでいて光のある美しい青だ。」
…私とは違う。
そう言って悲しそうに笑う。
『おじちゃんの目もお母さんと一緒だよ?優しくて温かいもん。』
なんだかおじちゃんが一瞬壊れてしまいそうな気がして、精一杯の笑顔を向けた。