第2章 選択
窓からさしこむ暖かい光にゆっくりと目が覚める。
辺りを見回しても誰もいない。
おじちゃん…?
一気に不安が押し寄せてくる。
みんな私を置いて行っちゃうの?
私はまたひとりぼっち?
考えだすと止まらなくなり、涙が次々と流れ出す。
嫌だ…嫌だ嫌だ嫌だ。
すると扉が開いた。
たまらず飛びつき抱きしめる。
「マリー?……すまなかった。早朝会議があってね。君を不安にさせてしまったようだ。」
すぐに察したように悲しい顔をして抱きしめ返してくれる。
温かい。
『…どこにも行かないで?』
やっと口に出せた本当の気持ち。
でも返ってきた言葉は…
「…すまない。そのことについて話しておかなければならないことがあるんだ。」