第2章 選択
瞼を開ける。
目に映ったのは空ではなく天井。
…よかった。夢じゃない。
体を起こして辺りを見回すと、机に向かう大きな背中が目に留まる。
『おじちゃん?』
不安げにそう呼ぶ。
「おや。起きたかい?」
ちゃんと応えてくれることが素直に嬉しくなる。
「昨日はいろいろあって疲れたんだろう。まだ夜中だ。もう少し寝ていなさい。」
『……お母さんたちのこと聞かないの?』
「マリーが話したくなった時でいい。今は体を休めるほうが大切だよ。」
「それに…。」
?
「いや。これは朝話そう。おやすみ、マリー」
疲れていたのか、目を瞑るとすぐに再び眠りについた。