第1章 終わりと始まり
部屋に入る。なんだか騒がしい。
「さあさあみなさん!商品が出揃いました。では右からまいりましょう!」
「5万!」
「俺は10万!」
「20万でどうだ!」
…何かお買い物してるの?
「では次はこちら!幼さないながらこの美しい髪と青い瞳‼」
肩を掴まれたかと思うと目隠しを外された。
「帰宅後すぐも良し。成長してからも良し。皆様お楽しみいただけること間違い無しですよ!」
とても眩しい。
目が慣れてくると見えて来たのは多くの男たち。
「20万だ!」
「50万出そう!」
「70万でどうだ!」
「70で決まりですか〜?他はいませんか〜?」
やっと理解した。
そうか。あたしが売られてるんだ。
騙されたんだ。
あたしの居場所…ここじゃなかったのか。静かに涙がこぼれた。