第7章 始まりと終わり
「だが生きていただけマシだな。しぶとい奴だ。」
リヴァイは皺を寄せたままエルヴィンから目を逸す。
するとエルヴィンはリヴァイの真意を読みとったように淋しく笑う。
「あぁ…、リヴァイには悪いがもう少し生きさせてもらうよ。私にも見守りたい人が出来たんだ。彼女が幸せを掴むまではまだ死ねないさ。…それは君も例外ではないからね。リヴァイ。」
「チッ。気持ちわりい…。」
横でハンジも優しく微笑む。
その時地震かと思うような地響きと音が鳴り響く。
「…また来たか。」
エルヴィンが呟く。
「何がだ。」
リヴァイは片眉だけを上げる。
すぐわかる。そうエルヴィンが言ったとほぼ同時に5m程の巨人が姿を見せた。
「彼は小さいが足の早い奇行種なんだ…。こいつにあたし達は殺されかけた。」
ハンジが目の前の巨人を見上げながら話す。
リヴァイは自分が目で確認してから目の前に現れるまでの速さに驚き、目を丸くしていた。
奇行種はニタッと笑うと、大きな手を振り上げる。
もうこの場に動ける者は少ない。
その場にいた全員が死を覚悟していた。