【ONE PIECE】海賊王と天竜人の娘は誰も愛せない
第1章
全部、はじめてだった。
唇をくっつけ合うキスも。
生まれたままの姿で異性と触れ合うことも。
家族…天竜人以外の人と、並んで夜眠ることも。
すべて、何もかもがはじめてだった。
もう、何も欲しない、何もいらないと。
このまま死んでしまってもいいとすら思えたほどに、わたしは幸福感に満たされた。
およそ二十年の人生で一番の幸せを感じた、素敵な夜だった。
あの人の熱を。手を。息遣いを。自らが好いた人と睦み合う幸福感を。
わたしはきっと、この世を去るその時まで忘れることはない。