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傍にいる[推しの子]

第19章 芸能界 第11話 ▲



アクアside

部屋に入る前からレンの様子は可笑しかった

扉の前に気配を感じて
暫くしても部屋に入る気配が全く無い
この時点で何かを考え込んでいる事は明白だった

だが流石の俺も痺れを切らし
半ば無理やり部屋に招き入れた

『お、邪魔します…』

「何でそんなに畏まってんだよ」

『な…何となく??』

「何だよそれ」

部屋に入るなり畏まって、明らかにいつもと違う
何か悩み事でもあるのか??
それとも、少しは警戒している…??

『何処で手当てすればいい??』

「…床だと冷たいし、かと言って…」

『…??』

俺はレンの問いに対して直ぐに
答えが出なかった…何故なら選択肢は2つ
1つ目は床、だが女性が身体を冷やすのは良くない
2つ目はベッド、手当てはし易いであろうが
この前の事がある…故に俺は濁した

『私は床でも別にいいよ??』

何を悩んでるんだと言うような顔で
俺を見ながら言うレン

こっちは真剣に悩んでいるというのに…

「いや、駄目だ
女性は身体を冷やすもんじゃない」

『別にいいのに』

「これは譲れない」

『じゃあ何処よー』

急かしてくるあたりレンにとって
場所はどうでもいいらしい

なら答えは1つだ

「…ベッドでもいいか??」

『ん、分かった』

と、言ったもののレンのこの答えで
警戒は少しもしていない事が分かった
少しでもいいから危機感を覚えて欲しい所だ

「…少しは警戒しろよ」((ボソ

『なんか言った??』

「…いや、何も」

警戒して欲しい気持ちと
警戒して欲しくない気持ちがせめぎ合う

結局、俺自身の考えもまとまらないまま
また部屋に2人きりになってしまった

落ち着け、大丈夫だレンは手当てを
しに来てくれただけで他に何もない

と思いたいが…ベッドに移動してから
レンはまた黙っている
やはり何か悩んでいるのか…??

「考え事か??」

『ほぇ!?』

問いかけにびっくりしてるあたり
本人はバレてないと思っていたらしい
バレない訳ないのにな??

「何かあるなら、相談ぐらい乗る」

『な、何にもないよ??』

あくまで隠し通すつもりなんだな…

「…信じていいんだな??」

『…うん』

「なら…詮索しない、が
何かあったら直ぐに言えよ??」

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