第19章 芸能界 第11話 ▲
レンside
何故かアクアは床で
手当てをする事を許してくれなかった
理由は女性が身体を冷やすなという事らしい
別に良いって言っても譲ってくれなかった
でも何で直ぐにベッドって
言う選択が出なかったのか
いや出ていても言い出せなかった…??
なら理由があるはずだけど、
その理由を考えても中々答えが出ない
何で…??私はどこでも構わないのに
場所なんかより怪我の方が優先だし…
「考え事か??」
『ほぇ!?』
ベッドに座ったまま動かない
私にアクアは何かを察したのかな…!?
あんまり心配かけさせないようにしないと…っ
「何かあるなら、相談ぐらい乗る」
『な、何にもないよ??』
「…信じていいんだな??」
『…うん』
「なら…詮索しない、が
何かあったら直ぐに言えよ??」
アクアはぶっきらぼうだけどきっと分かってる
私が、何かを隠してる事…
それでも彼は詮索しないって言ってくれる
その優しが嬉しい
『わかった!!』
だから、私はその優しさに甘えるよ
たとえそれが私だけに向けられる
優しさじゃなくても…
「じゃぁ手当て頼む」
『んっ!!
じゃぁ横向いて??』
「あんまり痛くすんなよ??」
『あらあら、元医者ともあろう方が
痛みに弱いの??ゴローせんせっ??』((ニヤ
「っ…そっちの名前で呼ぶな///」
『ふふ、はーい』
そう会話をしながら手当てを進めていたが
やっぱりふと、思い出してしまう…
かなちゃんのあの顔を…
この作品の話を知っているからこそ分かる顔
そして、アクアは現時点ではそれに気付いていない
だからこそ読み手だった私は応援していたはず
…なのに、この気持ちは何なのか
『…』((ピタ
これは、私の悪い癖だ
考え込んだら無口になって動きが止まる
これは、死ぬ前からの癖
さっき見逃して貰ったばっかりなのに…
「…レン??」
『…あ、えと終わったよ、
後はあんまり無理しない事!!
専門じゃなくても元医者なら
それくらい分かってるかっ
手当ても終わったしそれじゃ、私行くね』
そしてもう1つの私の悪い癖
言いたい事をばっと早口に言う事
「ちょっと待て」((ガシ
『っ!?』
あ、ヤバい…これ、逃げられないやつだ
アクアは勿論私の癖を知っている
だから逃げられるうちに逃げようとしたのに…