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傍にいる[推しの子]

第19章 芸能界 第11話 ▲



レンはルビーと別れてアクアの部屋に
向かったが扉の前に立って中々部屋に入れずに居た

『はぁ…』

理由は「今日あま」最後の撮影時に見た有馬の表情
話を知っているからこその辛さがある

レンにとって有馬は大切な友達で
でもアクアは大切な「推し」

2人の事をそう思っている反面消化しきれない
何とも言えない感情がレンを悩ませていた

『…』
(悩んでても仕方ない…
だって私が居ても結果は変わらないし…)

自分の正体を思い出してから回避出来る事が
あるのではと奮闘していたがその努力は実らず
ルビーはアイドルに、アクアは役者に…
レンの知ってる通りに事が進んだ

努力しても結果は変わらないという事が
分かってしまった時の絶望した気持ちは
忘れられないであろう

それでも「推し」であるアクアの傍にいる事を選んだ
少しでも力になりたい…ただ幸せになって欲しい…

この世界での自分の無力さに少しでも抗いたい

なのにこの何とも言えない感情に
振り回されようとしている

『…はぁ』

有馬の事を転生前は応援していたが、
今それが素直に出来ないでいる事に嫌気がさす

『はぁ…』

どうしたらいいか分からなく
扉の前に経ってから3度目のため息をした時

「入らないのか??」

『へ!?いや、入るけど!!』

アクアに問いかけられアタフタし出す

『は…入る、よ…??』

「おー」

((ガチャ

『お、邪魔します…』

「何でそんなに畏まってんだよ」

『な…何となく??』

「何だよそれ」

『そ、それよりほら!!
救急箱持ってきたから手当てするよ!!』

両手で救急箱を胸の前に持ちながらレンは言った

「ん、」

『何処で手当てすればいい??』

「…床だと冷たいし、かと言って…」

『…??』

言い淀むアクアの目線の先はベッドだが
流石のアクアも前科がある為か躊躇う

『私は床でも別にいいよ??』

「いや、駄目だ
女性は身体を冷やすもんじゃない」

『別にいいのに』

「これは譲れない」

『じゃあ何処よー』

「…ベッドでもいいか??」

『ん、分かった』

「…少しは警戒しろよ」((ボソ

『なんか言った??』

「…いや、何も」

そうして2人はベッドに移動し、
レンはアクアの手当てを始めた

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