第3章 幼少期 第3話
「ん、マネージャーのガキじゃねぇか」
急に監督がぬっと現れた
「居るのは構わねぇが泣き出して
収録止めたら締め出すからな」((ギロッ
「あっいえ
我々赤ん坊ですがそのような
粗相はしないよう努めますので!!」
『…』((キョト
「現場の進行を妨げないのは最低限の
ルールと認識しております
弊社のアイを今後とも何卒ご贔屓に…」((ペコペコ
『…』
「めちゃくちゃ喋るなこの赤子!!
どこで覚えたそんな言葉!!」
「ユーチューブで少々……」((フイ
「すげぇなユーチューブって!!
時代だなぁ!!」
『監督さんごめんなさい、
私も邪魔にならない様にしますから』
「んぁ??
あー、確か見学しに来た子役の子か」
『蒼井 灰簾です
よろしくお願い致します』((ペコ
「おいおい最近のガキは出来過ぎじゃねぇのか??
早熟な子役は結構見るがここまで
礼儀が良いのは初めて見た…
お前もそこの子役と同じで演技するのか??」
「いや…
演技とかそういうのは…」
「画面としておもしれぇな
なんかに使いたい」
『アクア凄い気に入られてるっ』((クスクス
(厄介な事になった…)
「言っておくがお前もだぞー早熟2」
『へ??
そーじゅくつー…??』((キョト
「これは俺の名刺だ
どっかの事務所入ったら連絡しろ
早熟2は追って連絡する」
『わ、分かりましたっ』((ペコ
「いえ…
仕事を振るなら僕じゃなくてアイに…」
「あーあのアイドルな
顔は抜群に良い、
運が良けりゃ生き残るだろ」
『「顔が抜群にいいのに運??」』
「お前ら仲良しかよ…
いいか??役者ってのは3つある
1つは看板役者
客を連れてくる事を求められる
広告塔の役割もあるからギャラも良い
次に実力派
作品の質を担保する役割
レーベルとしてのブランドを保つことが仕事だ
最後に新人役者
ここに演技力なんて期待してない
画面に新鮮さを出してくれりゃ及第点
次のスターに経験を積ませる目的もある
業界全体での投資だな
つまりあそこにいる新人たちは
全員投資を受けている段階
客に売れるか現場に好かれるか
どっちかがなきゃ次の新人に席を奪われる」
『…客に売れるか…
現場に好かれるか…』((ボソ