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傍にいる[推しの子]

第16章 芸能界 第8話



「そうね、そういう感じ私は好きよ
細かいテクが親切で丁寧っていうか
自分のエゴを殺して物語に寄り添ってるっていうか
もしかしてこれは普通の人には分からなくて
長くやってる私やレン以外には
どうでもいい事なのかもしれないけど」

「2人して変に気を使うなよ」

「使うわよ、一応これでも座長だし」

『私、本心なんだが…??』

「…おう」

「主演級の仕事なんて私にとっては
10年ぶりの大仕事だからそりゃ頑張るし!!」

『こらアクア!!』

「ホントの事だろ…
寧ろレンお前の方が見てたわ」

「確かに私にとっての闇の時代は大分長かったわ
ずっと仕事が貰えず、ネットでは終わった人
扱いされて…でも稽古だけは続けて
何のために努力してるのか分からなくて
何度も引退って言葉が頭をよぎって…」

『かなちゃん…』

「だけど!!
こうやって実力が評価される時期が来たのよ!!
本当に今まで辛かったけど続けてきて
良かったって思った!!

だからね別にあんたがめちゃくちゃ
凄い演技しなくたってアンタがこの仕事
続けてるって分かっただけで私、嬉しかった

こんな前も後ろも真っ暗な世界で
一緒にもがいてた奴が居たんだって分かって
それだけで十分…」

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休憩中俺は鏑木勝也の居るであろう
喫煙室に足を運んでいた
勿論、陰に隠れてバレない所に

きっとレンは今の俺の行動を知っているだろう
俺と行動すると有馬が何か勘づくのではと思い、
あえて一緒に行動していのだと思う

全く、行動を知られてるってのは
厄介なものだな

鏑木勝也が吸っている煙草の銘柄は
マルボロのメンソール…
鑑定に出すなら吸殻3本は欲しい所だけど

「撮りの再開まだ??
メルトこの後雑誌の撮影入ってるけど」

「もうすぐです
キャスト陣は有馬さんと見学に来た
蒼井さんが宥めてくれてるので…」

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