第16章 芸能界 第8話
「かなちゃんねー
使い勝手ラクでいいよね
誰にでもいい感じに尻尾振ってくれるから
雑に据えとくには丁度いい
有馬かなっていう名前はいちおー世間に
浸透してるし事務所抜けてフリーになって
ギャラも殆どタダ同然でネームバリュー
使えるんだから得したよ
まあ演技にうるさいのだけ面倒だけどな
このドラマはあくまで役者の宣材
演技力なんて求められてないのに
そこだけは分かってないみたいだけど…」
「…」
<--だけど!!
こうやって実力が評価される時期が来たのよ!!>
「評価なんてされてねぇじゃん」
世の中そんなもんだぞ有馬かな
適切な評価なんて与えられる方が稀だ
「灰簾ちゃんは…」
「っ!?」((ピク
「この先、まだまだ伸びるだろうね
役者としては勿論だけど、声優もやって
尚且つグラドルもやってる
今時の子にしては仕事の量は凄いだろうね」
「確かに彼女の話はよく聞きます」
「それに彼女の出るドラマを見ると何となくだけど
星野アイの雰囲気を何処と無く感じる」
「星野アイってあのB子町の…??」
「そう、上手く言葉には出来ないけど…
テレビで観てそう感じるなら実際見たら
きっと比じゃないんだろうね
今度オファーしようかな」
「良いですね、僕も気になります彼女の演技」
「びっくりするんじゃないかな??」((ハハ
鏑木勝也もレンのあの雰囲気に
気付いてたのか…
腐ってもプロデューサーって事か
レンの奴…厄介なのに目をつけられたな
採取も終わったし、目的は果たした
…けど
「撮影再開しまーす」
「せっかくだからレンが楽しみだって
言ってくれたし滅茶苦茶やって帰るか」