第15章 芸能界 第7話

『でもそれじゃ…』

｢自分の役者としての評価を下げてもか｣

｢…役者に大事なのはコミュ力よ

昔の私は自分の演技をひけらかして
確かに売れてたけど他人を蔑ろにしてた

だから旬が過ぎれば
あっという間に仕事が無くなった
私よりレンみたいに演技の上手い
子供は居てそれでも私を使う意味
それが大事なんだって気付いた

さしずめ今の私は我を通さず
作品の品質貢献に務める使いやすい役者
Pの人も付き合いが長くてね
今回も私がその辺弁えてるから
起用してくれたんだよ｣

｢いつの間にか協調性なんか
持つようになっちゃって｣

｢ふ、ふん
私オトナだから｣

『かなちゃんは昔も今も私の憧れだよ!!
だから一緒に頑張ろう!!』

｢言われなくても頑張るわよっ
そもそもあんたライバルだから!!
そこ忘れないでくれない!?｣

『えぇ…
私そういうの好きくないよぉ…』

｢黙らっしゃい!!

まぁ、モデル共と張っても負けない
顔の良さもあるだろうけど!!
あのPメンクイなのよねー!!｣

｢役者って自信家しかいねぇよな｣

『え、アクア私もそれ含まれてる!?』

｢いや、レンは別

因みに横にいるお前のライバルはグラドルだが??
それでも同じ事言えるのか??｣

｢うっさいわね!!
レンは別次元なんだから含まれないのよ!!｣

『2人して私をなんだと思ってるのよ…』

｢というわけで撮影は明日!!
来週オンエアだから!!撮影後即編集即納品!!
本読みすっ飛ばして即リハ即撮影だからよろしく!!｣

｢スケジュールも終わってんなぁ｣

『過酷ぅ…』

｢しょうがないでしょ
アンタの役の子がゴネて降りて
リスケになって大変だったの
だからこそアンタをねじ込めたんだけど｣

｢コネで役取って本読みもトバし…
またこのパターンか…

ガキの時同じ事して散々言ってくれたよな…｣