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傍にいる[推しの子]

第15章 芸能界 第7話



「…今回のドラマはこれから売りたい
モデルを兎に角一杯出してイケメン好きな
女性層にリーチする企画なのよ、演技力は二の次」

『あー…「今日あま」の話ね』

「そうよ
だけどそれじゃ作品が破綻する
だからこそ演技が売りの私をヒロインに
起用してるってワケ」

「それにしてはお前の演技ヌルくね??」

「抑えてるに決まってるでしょ!!
周りの役者は揃いも揃って大根役者ばっかり!!
メインキャストの中でマトモに演技出来るの
私だけなのよ!!」

『かなちゃんも大変だね』

「ほんとよもう…
そんな中で私がバリバリやってみなさい!!
他の役者の大根ぶりが浮き彫りに
なっちゃってぶり大根でしょ!!」

「ぶり大根??」

『お腹空くワードよぉ…
私、一応これでも仕事した後なんだぞぉ…』

「せめてレンか居てくれたら
話は別だったのに…」

『え、私の言葉無視!?
それに私なんてダメダメだよ??』

「レンがいれば私は全力で演技出来る、
あんたは私の演技にちゃんと
応えてくれるもの、断言するわ」ジッ

『あ、えと…っ、
私そんなに評価される様な事は…っ』

「…そうだぞレン
俺もお前の演技には毎回驚く
オマケに実力派、有馬かなのお墨付き
もっと自信持てよ」((チラ

『っ…あ、ありがとう///??』

「全く、自覚がないのも困りものね」

「そうだな」

『えぇ…』

「兎に角、私だって全力で演技したいわよ
誰が楽しくてわざわざ下手な演技するっていうの

でも上手い演技と良い作品作りは別…
上手い演技をすれば良い作品になるかと
言われればそうじゃない

確かにこの作品は企画からして
売り手の都合が前に出過ぎてる
作品として面白くなりようがないわ

1話の撮影で原作者の先生が現場に来た時…
あの失望した顔はキツかったわ

でも役者や裏方さん個人個人は
精一杯やってて見てくれる人や
原作ファンの為に少しでも良い作品にしたい

せめて「観れる」作品にする
その為ならへたくそな演技だってする」

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