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傍にいる[推しの子]

第8章 幼少期 第8話



ルビーは視線を遮られて
現場から遠ざけられたが
僕とレンは冷たくなっていくアイの体温を
感じながら警察に保護された

犯人が既に死んでいる事と俺とレンの
年齢もあり取り調べは簡素なものに終わったが
被害者向けのカウンセリングは長く続いた

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「ねぇ、2人が良ければ
本当にうちの子になりませんか??」

「「…」」

アイ死亡騒動の少し後
ミヤコさんは俺達に提案をしてきた
彼女は社長の奥さんでアイが仕事の間
俺達の面倒を見ていてくれた人だ

「もちろん2人の母親はアイさんしか居ない
私の事を母親だなんて思わなくても良い
でも私は君達を自分の子供の様に思ってる…
どう…??」

ルビーはその提案をのみミヤコさんに
泣きながら抱きついた
だが俺はそうしなかった…

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アイの葬儀場は色んな人で溢れかえっていた

その人々を俺とルビー、レンは
車の中で見ていた

そんな中ふと、ルビーが話し始めた

「ママ言ってた
私がアイドルになるんじゃないかって
レンももしかしたらって…
アクアとレンは私なんかでも
出来ると思う…??」

『ルビーなら…
なれると思うよ……でも…』

「なってもしょうがなくない??
儲かりたいなら別の仕事の方が
手っ取り早いしファンは常に身勝手で
男が出来れば正義面で袋叩き」

『アクア…』

「うん…それでも
ママはキラキラしてた」

『……』

ルビーは立ち直っていくのだろう
良くも悪くも純粋な奴だと
数年一緒に過ごして分かった

レンもルビーより時間は
掛かるだろうがきっと大丈夫だろう
アイに俺達の事を頼まれて責任を
感じてしまうかも知れないが…

けど俺は…
どうせ1度死んだ身だ
1度と2度も同じ…

アイが居ないならこんな世界…

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