第30章 恋愛リアリティーショー 第7話
- No side -
レンはアクアの部屋を出た後風呂に向かい
頭と身体を洗い、一息つく為湯船に浸かった
『今思うと、大胆な事したなぁ』
ポツリ、呟いた
『多分これが噂の「恋」…なのかな』
そう、レンは「恋」をした事が無い
花の高校1年、普通なら小学中学よりも
大人な「恋」をするお年頃のはず
読む漫画もちょっぴし刺激的な恋愛ものが
追加される年頃で中には「BL」何て
ものにも手を出す女子もチラホラ…
だが、レンの場合恋愛ものには
手を出してはいたにはいたが、どちらかと言うと
友情もの、ミステリー、戦闘もの…
勿論恋愛要素も入っているがメインでは無かった
アニメも同様でる、所謂ヲタクというもの
そして何より、「恋」をする前にレンは
原因は不明だが16歳と言う
若さで前世を去ってしまっている
「恋」の感覚がいまいち分からないのも
そういう事が要因の一つであった
『少しは…意識してくれるかな…』
先程の行動に自分自身驚いているが
ほぼ素でやってしまっていた行動故に
後戻り出来ない状況になっている
『はぁ…まさか「推し」に恋するなんて思っても
みなかったよ…いや、まだ分からないけど…』
転生して記憶が戻ってからというものの
「恋」ではなく「推し」を手助けする事に専念して
これまで生きてきたのだから
軽く混乱するのもおかしい話では無い
『でも叶わないもんね
アクアにはかなちゃんが…いるもの…』
前世で愛読していた「推しの子」で
唯一ハッキリと覚えてるのはこの事
前世では「推しの子」はまだ連載中で
最終的にどうなるかは分からない
ましてやレンはその場面の直前にならないと
思い出せない面倒臭い仕組みに囚われている
それでもこの事だけは覚えているとなると
相当「推し」ていたのだと分かる
『初めての「恋」が叶わないと
分かってるものなんて…残酷すぎじゃない??
いや、そもそもまだちゃんと「恋」なんだって
確信は…ないんだけど…』
初めての感覚故に確信を持てないでいるレン
『近い内にこの気持ちが本当に「恋」なのか
分かるといいな…あ…やばい逆上せる…』
考えがまとまるとそろそろ茹だって
しまいそうだと言う事に気付いて
湯船から出て部屋に戻る支度をして
部屋に向かうのだった