第30章 恋愛リアリティーショー 第7話
- アクア side -
「…はぁ」
吃驚した…急にレンの
雰囲気が変わったと思ったら
< さっきの話に戻るけど相手を
アクアだと思ってやってるのは本当だよ??>
と、意外な言葉を言ってきた
勘違いする様な言い方だと注意した
ばっかだってのに改めて言ってのけやがった
「あんな事言われて
勘違いしない方がおかしいだろ…///」
俺だったから良かったものの、他の男が
こんな言葉を言われたら一溜りも無いはずだ
最初はあんなに慌てて言い訳してた癖に…
幸い、レンは風呂に行って暫くは戻ってこない
一旦、冷静になろう
「…」
<これからも相手役アクアだと思って
演技するから、もし見るんなら…
妄想しても、良いからね…??>
「いや無理だ…
あんな事言われて冷静になれるかっ///!!」
耳元で色っぽく囁かれれば意識してしまう
「すっかり忘れてたが…流石声優…
高校1年の出す声じゃねぇよ…///」
つまり、だ…1話のあの無理矢理
されそうになるエロいシーンは
相手役を俺だと思って演技したと…
「嘘だって言ってくれ///」
あのシーンを観て怒りを
覚えていたのが恥ずかしい
「そもそも無理矢理されそうになってる
状況で相手役を俺だと思って…演じた…」
言葉のまんまであればそれは
俺になら無理矢理迫られても、いい…と??
「いやいやいや…
いくら何でもそれは無いだろ…///」
俺の知ってる限りではそっち系の知識に
乏しい時点でレンはまだ処女のはずだし
ましてや男が苦手の奴だぞ??
これは都合良過ぎる考えだ…忘れよう
にしてもあいつ、あんな雰囲気も出せるんだな
普段ぬけてて危なっかしい、完全な
プライベート状態なら男性が苦手なあいつが…
少なくともちゃんと女優なんだな
「…恐ろしい奴を好きになったな俺」
落ち着け、あんな事言ってたからと言って
俺に好意があるかは分からない
それに…有馬の話で気持ちの正体が
分かったかもと言っていたが…
まさかのGL…じゃないよな??
いやだとしたらさっきの
「妄想してもいい」宣言は何なんだ…??
女ってやっぱわかんねぇ…
「…やっぱり恋愛は面倒だ」
俺に恋愛なんてやはり向いてない
何度も思った事を再確認した俺は
寝そべって目を瞑り、レンを待つ事にした