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傍にいる[推しの子]

第4章 幼少期 第4話



『お姉ちゃんお兄ちゃん…
はやくいこ…??』((クイクイ

そしてレンは極度の人見知り
と言うアバウトな事しか指示されていない
こちらもこちらで流石子役
俺の影に隠れ、服の裾を引っ張りながら
目の前の役者を恐る恐る見ている
彼女なりの解釈をしたのだろう
ピッタリの演技だ

「ああ、そうだな」

「では、しつれいします…」

「カット、OKだ!!」

「凄いねー
お姉さんぞくってきちゃった」

「そうですか??
良かったー」

「灰簾ちゃんも凄かったよー
人見知りなんだってすんごい伝わって」

『ありがとうございますっ!!』

「良くないわ」

『かなちゃん…??』

「監督撮り直して」

「ん??
いや問題なかったから」

「問題大ありよ!!

今のかな…!!
あの2人より全然だめだった…!!
やだ!!もっかい!!お願いだから!!
次はもっと上手にやるから!!
もいっかい!!ねぇ!!」

有馬かなは自分の演技に納得がいかなく
ずっと駄々を捏ね続けた

「ツイン早熟
役者に大事な要素はなんだと思う??」

『えーと…』

「んー…
実力とかセンス??」

『あとはやる気と努力の量…とか??』

「まぁそれも大事だけどな
結局の所コミュ力だ」

『コミュ力…』

「他の役者やスタッフに嫌われたら
仕事なんてすぐ無くなる
小さいウチから天狗になって
大御所気取りしてたら未来はねぇ」

『でもかなちゃんちょっと可哀想…』

「レンは優しいな…
監督はもしかしてあの子にお灸を
据えたかったの??」

「そんな偉そうな事は考えちゃいねぇけどよ
こういうのも栄養だ

お前らの演技
俺の想像にピッタリの演技だったぜ」

『かなちゃんの方が凄かったよ!!
私はまだまだ全然…』

「レンはちゃんと出来てた
監督と同じで俺もそう解釈してたから
でもレンの言う通りあの子の方が
演技凄かったよ
俺はいつも通りの俺やっただけだし…」

「でも俺はそうしろとは一言も言ってない
俺の意図を読み取るのも1つのコミュ力だ
もちろん演出や意図を理解して
演じるのは役者の基本だ」

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