第28章 恋愛リアリティーショー 第5話
レンは俺にそう耳打ちした
黒川が一体どうしたのだろうか
『うん…信じてもらえないかも
しれないけどきっとそう遠くない日に
あかねちゃんが悪い意味で動き出す』
「え??」
確かにレンは俺達の事を誰よりも
知っているしこの先起こる出来事も知っている
ただ今まで事前に俺に話して来る事はなかった
寧ろ直前になって思い出す感じだろう
そんなレンが事前に俺に話して
来たって事は何かきっかけがあって
そしてそれを一か八かで俺に話して来た
『…っ』
凄く不安そうな顔をしている
信じてもらえないかもしれない??
要らん心配だな
「大丈夫だ、お前の言う事信じない訳ないだろ??」
『ほ、ほんと…っ??』
「逆に今まで俺が信じない事、あったか??」
『ない…っ』
「なら信じろよ」
『っ…ありがと、アクア』((ニパ
あぁ、いつものレンの笑顔だ
とりあえずは大丈夫そうだな
「おう…んでその話は後でも良いか??」
『うん、きっと今日じゃない…と、思うから』
「分かった、なら帰りながら話そう」
『うん…じゃあ、私戦人のとこ戻るね??』
((ピク
「…彼奴のところに??」
『え??…うん、
話途中だったんだけどアクア、
何か険しい顔してたら気になって…
それにあかねちゃんの件も
話しておきたかったし…』
「行くな」
何で戦人のとこに戻ろうとすんだよ
レンの傍にいていいのは俺だけだろ??
『…どうしたのアクア、何か…おかしいよ』
おかしい??おかしいのはレンの方だろ
「もう1回言う
彼奴のとこに…行くな」((ギュ
どうしても行かせたくなくて母親に置いて
いかれない様に駄々を捏ねる子供みたいに
レンの手を弱々しく俺は握った
『…大丈夫だよアクア、
戦人の事何とも思ってないから』
「っ!!」
『あれ??違ったかな…??』
…流石、ガキの頃から傍にいて
くれてるだけあってお見通し、か
悔しいが、やはりレンには敵わないな…
「…違わない」
『要らない心配しないんだぞー??』((ナデナデ
「…ん」
撫でられるのが好きという訳では無いが
こういう何気無い行動1つ1つに救われている
そして実感する
レンが好きなんだと