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特級錬金術師の旦那様

第14章 マーフィスの無双


食事の後、見せてくれた戦果。テーブルの上には置ききれない程の、肉類が鎮座した。圧巻である。そして、今回は換金はしなかったらしい。

「明日は、近くの森にある野菜を採取に行く。それくらいなら、コイツらも出来るだろうから連れて行く。ミアはどうする?」
「行きたい。」
「そうか。じゃあ、ミアも採取を頼むな。クエストは一応、受けようと思ってる。」


翌朝、マーフィスの塗り薬のおかげで、三人の怪我は幾分かマシになっていた。そして、予定通りにクエストを受注しては近くの森へと向かう。

マーフィスは過保護だった。三十分ほど先の森への距離なのに、貨物車を出そうとした。私は体力も付けたいので辞退しておいた。

野生で成っている野菜を採取しながら、色んな種類が欲しいのであちこち散策する。昼を過ぎた頃、一番に根を上げたのは私だった。

「マーフィス、お腹空いた。もう動けない。」
「そうか。じゃあ、昼食にするか。」

マーフィスが鍋ごと持って来てくれていたので、簡易のかまどを作ってスープを温め直す。今日はトリ団子のスープだ。そして、玉子サンドと共に食事を取る。

三人が食事をしながら、またもや咽び泣いている。余程、気に入ってくれたんだね。嬉しいよ、お姉さんは。

「どうしたの?マーフィス。」
「新手の馬鹿なヤツが様子を伺ってるから、どうしようかと思ってな。ミアはどう思う?」
「先手必勝?」
「そういうところ、俺大好きだ。じゃ、ちょっと行って来る。防御陣張っておくから、この陣から出ない様にな。」

マーフィスがある場所に突進していくと、離れた場所から驚く声が幾つか上がった。声の数からして、四人というところだろう。

あちこちで魔法を放つ音と共に、その度に悲鳴が上がっている。あ、こっちに向かって来た。どうやら、私たちを捕まえてマーフィスに一泡吹かせたいみたい。

でも、防御陣を知らない四人は思い切りぶつかって、そのまま引っ繰り返った。でも、立ち上がっては剣で切ろうとしている。ちょっと怖い。

が、直ぐに雷が落ちて、目の前で倒れては痺れている様子。マーフィスが魔法でも放ったのだろう。

「お前ら・・・俺のミアに斬りかかろうとしたな?」

加害者の四人だけではなく、被害者の三人も真っ青になっている。確かに、私も少し怖い。あ、もう一回雷が落ちた。焦げ臭い。
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