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特級錬金術師の旦那様

第14章 マーフィスの無双


三人も少し怯んでいる。でも、マーフィスが何か呪文を唱えて・・・そう言えば、前にもあったよね?魔物たちは、感電して瞬殺された。誰もが茫然である。

他の上級や特級の魔物も、アッサリと討伐されて呆気なくボス戦は終わった。今、ボスがいた部屋の中は肉祭りとなっている。せっせと回収しては、魔法鞄に収めた。

「ミア、お疲れ。明日は、俺一人で五回くらい周りたいから留守番しててくれな?」
「うん。ちょっと疲れちゃった。」

主に、精神的に。三人にもお裾分けをしては、この日は分かれた。ドロップ品を売ればお金になると言っていたので、マーフィスもあの三人に目を掛けていたのだろう。

私はギルド登録してFランクなのだけど、二回頑張ったから暫しお休み。次は、もう少し穏便にやれる様なクエストがいいなと思う。

ただ、何処にでもいるんだね。人を妬み、奪おうとする輩が。換金してから、そのお金を奪われたらしいと聞いたのは翌日のこと。

何故、私が知ったかと言うと・・・家を訪ねて来た冒険者が外で叫んでいたから。偽善者のお陰でいい思いをしたと、声高々に喋っている。

しかし、私は家から出ない。そんな挑発されても、私には戦う素質など皆無だもの。運が悪ければ拉致られて、売られ兼ねない。

あぁ、今日も騒がしい声が悲鳴に代わって聞こえなくなった。マーフィスが帰って来たら、ちゃんと話しておこう。顔は確認しておいたし、私も弱い者いじめをする人は嫌い。

日が傾いて来た頃、マーフィスが三人を連れて帰って来た。三人の誰もが等しく顔が腫れていて、可哀想で見ていられなかった。

「お帰りなさい。ねぇ、この子たち・・・。」
「ちょっと洗礼受けたみたいでな。相談もなく連れて来たが、今晩も泊めていいか?」
「勿論だよ。それと、昼頃に加害者の方が家に来てたよ。」

三人の顔色が変わる。顔の痣を見て、余程、強く痛めつけられたのが伺える。私にも力があるなら、あの加害者たちを分からせてやりたい。

「家から出てないよな?」
「うん。私、何も出来ないもの。」
「自ら危険に飛び込んでくれるなよ?」
「うん。じゃあ、夕飯手伝ってくれる?」

家では、マーフィスは私の手足となって手伝ってくれる。今晩のメニューは、トンカツにした。正式には、カツサンドだけど。

「そう言えば、収穫はどうだったの?」
「あぁ、換金せずに持ち帰って来た。」
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