第21章 その後の私たち
「懸命な判断ですね。ミアの心の拠り所はマーフィスなのですから。」
「はい。本当にありがとうございました。今日は、一緒じゃないんですね。」
「えぇ、仕事で出掛けております。」
「警察の仕事をされているのですよね。」
「えぇ。ですから、あのストーカーを引き渡して来ました。」
「サーファスさんは、今、幸せですか?」
「えぇ、勿論。可愛いんですよ、私の恋人は。」
マーフィスは微妙な顔になった。年上で且つあのイケオジ相手に可愛いと言えるのはサーファスさんしかいないと思った。
「残念ながら子は為せませんが、そうですね・・・マーフィスの家族はもっと増えるでしょうから、一人養子に頂ければいいかもしれませんね。」
「・・・。」
「冗談です。ですが、気が向いたらご一考下さい。」
それは冗談では終わらないのではと思ったが、言わないでおいた。しかし、十数年後。マーフィスの子は六人となり、上から三番目の息子がサーファスさんの養子となった。
「ただいま、ミア。」
「お帰りなさい、マーフィス。」
「何かあった?」
「分かる?その・・・お目出度だって分かったの。」
「ありがとう、ミア!!嬉しいよ。」
「ねぇ、マーフィス?」
ギュッとマーフィスに抱き付いたミア。
「あの時・・・私と出会ってくれてありがとう。」
「俺の方こそ。俺の生きる道しるべになってくれたんだ、ミアは。俺に愛を教えてくれてありがとう。次に生まれ変わっても、俺はミアといたい。愛してるよ。」
子供たちの賑やかな声が家の中で響き、いつまでも仲睦まじい家族だと近所でも専ら噂される様になったマーフィス家。
「ねぇ、父さんたちは?」
「デートだって。」
「相変わらず仲がいいよな。」
「俺なんか母さん泣かした時なんか、生きた心地しなかったよ。父さん容赦なかったし。」
「そりゃあ、父さんは母さん至上主義者だもんな。」
「いいなぁ、私も将来はお父さんみたいな素敵な男性と出会いたい。」
「「「「「お前にはまだ早いっ!!」」」」」
「お兄ちゃんたち、シスコンなんだからっ!!」
おしまい